研究概要 |
現在,医薬品以外で宿主の免疫能を増強させる作用があるとして多くのいわゆる「健康食品」が販売され,多くの人に利用されているが,これらが真に免疫増強能を有しているか否かについての体系的な研究はほとんどなされていない。そこで,今回の検討では,これら健康食品類の宿主免疫増強能をヒト及びマウス培養細胞を用いたin vitro assay系でスクリーニングを行うことによって,真に有効な食品類の検索を行うことを目的としている。 マウスマクロファージ様細胞株のJ774A.1株を用いて,健康食品として知られているアガリクスエキス,椎茸菌糸エキス(LEM)及びラクトフェリンの免疫賦活効果について検討した。これら健康食品をマクロファージ細胞株の培養液中に添加して調べた。通常のJ774A.1株は丸い細胞形態をしているが,これら健康食品を添加することによって,いわゆる活性化された状態へ分化することが分かったので,免疫賦活効果をこのマクロファージの分化した状態を指標として検討してみた。その結果,アガリクス及びラクトフェリンにおいてマクロファージを活性することが明らかとなった。今後は主としてこの2つの健康食品についてさらに検討を進める予定である。
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