研究概要 |
マウスマクロファージ様細胞株のJ774A.1株を用いて,健康食品などとして知られているアガリクスエキス,椎茸菌糸エキス(LEM),ラクトフェリン,β-glucan,アスコルビン酸及び塩化カルニチンの免疫賦活効果について検討した。これらを細胞株の培養液に添加して,細胞の形態変化を指標として検討したところ,特にアガリクスとラクトフェリンにおいて免疫賦活効果が期待できることが分かった。そこで,これらの抗リステリア活性の有無について検討した。J774A.1細胞株をアガリクスあるいはラクトフェリンで1日間処理後,Listeria monocytogenes EGD株を感染させ,感染3時間後の菌数を測定した。その結果,アガリクス処理細胞は非処理細胞におけるよりも抗リステリア活性が約15ポイント上昇した。これが,どのような機序によるのかについて,O_2-とNO_2-の測定を,それぞれCytochrome C法及びGriess法でおこなった。その結果,この活性はO_2-依存性であることが分かった。以上より,アガリクスは免疫賦活効果を有することから,健康食品としての有用性が期待できるものと考えられる。
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