研究概要 |
本研究では,日常の食行動を携帯電話の通信機能を活用して測定する方法について検討してきた。具体的にはOpenPNEを活用した食事日誌掲載という方法の有効性について検討してきた。本年の研究計画の第1は,これまでに明らかになった問題(主にSNSシステムにおける参加者相互のインターラクション)を解決し,一層洗練されたシステムを構築することであった。これについては種々検討を加えた。しかしながら実証的データを得るまでにはいかなかった。本研究終了後も引き続き研究を継続することとした。第2は,乳幼児を養育中の母親を対象に,食行動,食態度,子に対する態度,感情について行ったインターネット調査の結果を再分析することであった。これについては一定の成果をあげ,日本発達心理学会において発表した。さらに研究成果の出版についても検討しつつある。第3は,女子大学生の食行動,食態度,食感情の測定・評価であった。これについては身体イメージ,痩身願望を含めた新たなデータ収集をおこなった。その研究成果は本年の日本健康心理学会において発表する予定である。研究計画の第4は,食改善に向けた介入であった。介入の一環として,SurveyMonkey社のインターネット調査システムを利用した「食事バランスガイド」のe-ラーニング教材を作成し,その有効性について検討した。研究期間は終了するが,本年も引き続きより効果的な介入方法について種々の試みを行う。インターネットの世界ではWBT,APSが一般的となり,現代人のコミュニケーションも携帯電話,PCを活用することが一般的となった。食行動の測定ならびに改善に向けた介入もまたこれらの通信手段を活用することによって,より効果的,より節約的な方法を構築できるはずである。本研究は,その一助となるべき一定の貢献を果たしたと評価される。
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