血清および肝臓脂質濃度、体脂肪蓄積抑制に関与するジアシルグリセロール(DAG)(7%wt%)と大豆タンパク質(20%wt%)の併用効果を0.5%コレステロール負荷あるいは負荷しない条件下で28日間ラットに与えたときの脂質濃度、体脂肪蓄積および糞中ステロール排泄に及ぼす影響をコーン油およびカゼインとの併用効果と比較検討した。その結果、高コレステロール食においては、血清および肝臓脂質濃度に対して大豆タンパク質の摂取が顕著な低減効果を示した。特に、DAG+大豆タンパク質食の効果はDAG+カゼイン食と比較して著しい低下(P<0.01)を示した。体脂肪蓄積に併用による効果は認められなかった。いずれも各食餌因子による統計学的な交互作用は認められなかった。一方コレステロールを含まない食餌条件下では、DAG+大豆タンパク質の併用摂取により血清中性脂肪濃度および肝臓コレステロールと中性脂肪濃度に有意な交互作用を認めた。しかしその他に併用摂取の影響は認められなかった。いずれの食事に条件においても糞中中性ステロール排泄は大豆タンパク質の摂取で有意に亢進した。 今回の実験でDAGと大豆タンパク質の併用摂取は、コレステロールを含まない食餌条件で穏やかではあるが効果的な作用を示し、コレステロールを含む食餌では大豆タンパク質の効果が顕著であることが明らかになった。このように類似の効果を有する機能性食品素材の併用摂取を行っても必ずしも相乗あるいは相加的な作用を示すとは限らず、食事条件に影響されることが明らかとなった。
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