研究概要 |
1.研究経過 前年度に実施した「小学校にどのように粒子概念を取り入れるか」に関する授業の結果を検証するとともに,中学校教科書における「粒子概念」の取り扱いについて検討した。今年度は全体研究会を3回開催した。最後に,文部科学省教科書調査官をお呼びしたミニシンポジウムを開催して,3年間にわたる研究全体のまとめへ向けて意見交換した。 2.研究内容と成果 「ものはすべて小さな粒でできている」という「初歩的粒子概念」は,小学校で学習する事象について「なぜそうなるのか」がよくわかるために有効であり,小学生に十分理解される概念である。その導入方法について,複数の実践を行い,検証した。一方,中学校の「溶解」においては,溶質と溶媒の両方を粒子で表す必要がある。これらの結論は,海外の教科書における粒子概念の扱いと一致する。さらに,粒子概念を実感を持って理解させるため,いくつかの教材開発を行った。 3.研究内容の報告 上記の研究内容を,日本理科教育学会全国大会,日本科学教育学会年会等で口頭発表するとともに,ミニシンポジウム(盛岡,参加者約25名)を開催して意見交換を行った。また,日本化学会東北支部「教師のための化学教育講座」において講演するとともに,岩手大学教育学部紀要に論文掲載した(2報)。
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