「林文庫邦書目録原稿」のリスト修正作業は、「目録」に記載されている教科書関係書籍の再確認作業と共に、大学院生の協力によりほぼ終了した。作業のために、パソコンー式、CD、コピー用紙等を購入し、謝金も支払われた。 教科書関係の資料をどのように整理し、利用するのが本学にとって適切であるかを考えるために、大阪教育大学附属図書館への視察出張を行うことができた。 「目録」に記載されている資料について、青森県立図書館への問い合わせ、金沢大学附属図書館および東北大学史料館での資料調査を行い、資料への補充情報を数多く得ることができた。ただし、未だ十分でないところも残っている。金沢大学附属図書館および東北大学史料館での調査には購入したデジカメにより、必要資料を得た。この調査で得られた結果の一部は、東北数学教育学会年会で発表し、同学会誌へ論文を投稿した。 教材開発については、「比と比例」に関しては、作業の基礎資料となる現高校教科書についての整理を田端と萬が論文として本学紀要へ投稿した。「関数関係]について、森岡が東京地区の研究者との情報交換を行うことができた。「図形・幾何」について、林がその著書で「公理」としている図形に関わる事柄の他の書籍での取り扱いを、萬が調査中である。 萬と田端の二人は、日本数学教育学会論文発表会へ参加し、他大学の研究者との情報収集や検討を行うことができた。また、萬は日本数学史学会総会へ参加し、明治・大正・昭和初期の算数数学教科書に関する情報や資料整理への有益なアドバイスを得ることができた。これらは次年度の研究へ生かすことができるものである。
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