前年度に引き続き、栽培学習に役立つ画像・映像データの収集と整理、および学習ソフトウエアの開発を行った。以下、主な研究結果を項目別に示す。 1. 教材植物の形状を学習するソフトウエア : 昨年の草花クイズソフトウエアに引き続き、野菜の幼植物・栄養生長期・収穫期の写真から名称を答えさせるクイズを作成し、大学生を対象に試行した。 2. 多様な栽培学習のための植物教材情報の提供システム : 短期間に栽培可能な植物教材であるハツカダイコンについて、品種特性・施肥量反応・花芽形成制御・整枝・誘引・水耕栽培・無菌培養など、多様な栽培学習における利用法を紹介する数値データ・画像・映像を収集した。また、生長点を回転させながら芽が伸長する様子など、特に植物の動きに着目した微速度撮影映像を公開用に作成した。 3. イネの適正な植え付け間隔ソフトウエア : より精度の高い適正栽植間隔計算を行うために、空間葉配置の計測について、三次元デジタイザで計測した葉の中肋軌跡に、葉形モデル(止葉とそれ以外の葉を区別した形状モデルを作成)を適用する手法に改良した。本科研費で購入したロング光量子計で実測したコシヒカリとタカナリの水田内光状態は、出穂期では個体葉配置の特徴をよく反映していたが、登熟期では穂の遮光が無視できないことが見いだされた。 4. 成果のWeb公開 : 本研究で収集・作成した映像・画像・ソフトウエアを公開するWebページ試行版を学内限定で公開した。現在、コンテンツの拡充とソフトウエアのセキュリティ対策のために公開を停止しているが、試行版への意見を反映させた正式版を近日中に公開する予定である。
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