研究課題/領域番号 |
19500723
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
伊東 明彦 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70134252)
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研究分担者 |
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10218729)
南 伸昌 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (80292572)
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キーワード | 科学教育 / 力学概念 / 中学校理科 / 理科教育 / 物理教育 |
研究概要 |
中学生高校生がどのような力概念を持つているのかについての調査結果を分析し、以下のような問題点を明らかにした。 (1)中学生は日常生活で使っている力という語と、理科学習において使われるカという語の区別ができていない。 (2)物体の速度とカを同一視するという誤った力概念(MIF概念)は現在でも広く中学生高校生に認められる。 以上の所見から、中学校高校における力の授業において、次のような点が強調されるべきであることを明らかにした。 (1)中学校1年生の力の学習において、カとは何かを明確に定義すべきである。少なくとも、「力とは押したり引いたりすることである」、ということを生徒に認識させる必要がある。 (2)力とは物体の速さを変える働きである、という概念を生徒に捉えさせることが重要である。 さらに、言葉による説明だけでは生徒に力とは何かを十分納得させることは困難であるという調査結果を受けて、物体に働く力を視覚的に表示できる教材「Fi-Cube」を開発した。「Fi-Cube」を用いた授業実践を行った結果、これまで習得することが困難であった慣性の法則に関する理解か大きく促進され、同時にMIF的な力概念が払しょくされることを明らかにした。 本研究によって、「Fi-Cube]を用いることにより生徒の力概念の獲得を大きく促進することができる可能性が示された。すなわち、「Fi-Cube」を効果的に利用することによって、これまで様々な方策が講じられながら決定的な改善策が見いだせていなかった力概念の指導が劇的に改善される可能性が示された。
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