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2008 年度 実績報告書

疑似科学に対処するクリティカルシンキング概念の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500733
研究機関信州大学

研究代表者

菊池 聡  信州大学, 人文学部, 准教授 (30262679)

キーワード疑似科学 / 超常信奉 / 批判的思考 / あいまいさへの不寛容
研究概要

平成20年度は、「疑似科学・超常信奉態度」と批判的思考態度にかかる諸指標との間の関係を明らかにするため、質問紙調査による研究を進めた。
調査対象は、東京都下の高校生169名と長野県下の中学生224名であり、前年度に行った調査データにもとづいて尺度項目を精選・改良した自己報告式の質問紙調査を実施した。その結果、疑似科学超常信奉態度の中でも、占いや血液型性格学に対する肯定的態度と「あいまいさに対する不寛容(intolerance of ambiguity)」傾向との間に正の直線的関係が見られた。また、その傾向は「対人場面におけるあいまいさに対する不寛容性」において顕著であった。この結果は、あいまいさ耐性の低い人は、疑似科学や占いのような非合理的な思考判断ツールを利用してでも「あいまいさ」を解消しようとする姿勢をとりやすいためと解釈できる。
さらに、自己認知における「自己高揚傾向」(平均以上効果・統制感の幻想)を表す諸指標と、疑似科学・超常信奉の間には弱い正の相関が見られ、また「科学への好意」と疑似科学への信奉は、必ずしも相反する態度ではなく、正の関連性を示す場合があることも示された。
これらの結果はさらに詳細な調査と検討の余地を残すものではあるが、疑似科学に対処する上で、科学的知識の教育だけでなく、人の認知傾向を視野に入れた批判的思考態度を促すことの重要性を示すものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 人のこころから見た不思議現象2008

    • 著者名/発表者名
      菊池聡
    • 雑誌名

      理科教室 51

      ページ: 6-11

  • [学会発表] ニセ科学に騙される心のシステム2008

    • 著者名/発表者名
      菊池聡
    • 学会等名
      日本薬学会 衛生薬学・環境トキシコロジー フォーラム2008
    • 発表場所
      熊本市
    • 年月日
      2008-10-18
  • [図書] 「自分だまし」の心理学2008

    • 著者名/発表者名
      菊池聡
    • 総ページ数
      235
    • 出版者
      祥伝社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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