研究概要 |
『濃尾地震』とそれを引き起こした『根尾谷断層』は、大地の運動を理解する上できわめて貴重な理科教材である。本研究では,静止画像による教材の限界を克服し,臨場感に富むビデオ画像による教材へ発展させ,教師に理解できる平易な内容の動画教材を開発し提供すること、あわせて、重要性が指摘されながら、地学分野において共通する課題である野外観察実施の困難さを具体的に解決していくことを目的として、ビデオ画像教材の役割を実証的に検証していく。 こうした目的に沿って、静止画像による既公開のデジタル教材を基本にして、撮影箇所、効果的な撮影方法、学校現場で必要とする解説内容などの吟味をすすめ、学部授業の現地実習時あるいは高校のSSH事業の野外実習時における解説風景など、可能な限りの機会に現地でビデオ撮影を実施した。あわせて関連する事象のビデオ撮影も行い、現時点において現地で観察可能な地点の撮影をおおよそ終了した。収録映像は、動画編集ソフトを用いて、順次、編集作業を行うとともに,断層地形の情報を画像処理や地理情報システム(GIS)のソフトを活用して、平易な画像を作成していく方法の検討をすすめている。こうした具体的作業に平行して、教育現場の実情を把握するために、小学6年生の校外研修を利用した現地でのアウトリーチを試みるなど、現場の教員との内容討論および情報収集をすすめることで、次年度での研究計画を組み立てようとしている。
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