研究概要 |
中学校理科では自然と人間単元で自然界のつり合いを学習する.その教材素材としての校内生物資源の教材特性について,昨年度に引続き調査研究すると共に,校内資源教材特性を組み込んだ,より実感の持てるエネルギー環境に関する授業展開例を,本研究において開発された教材を使用して示した. 土壌動物素材については,昨年度作製したリストにおける各動物に対し、自然度に応じて3ランクに分け、かつ各ランクに自然度に応じた得点を与えることで、出現動物に基づいて自然度を数量的に評価できるようにした。また、この資料に基づいて野外調査を行い、資料の有効性を検証した。また,ミニビオトープに関しては出現植物カード資料を作成した. 開発教材を用いたエネルギー環境に関する理科学習カリキュラムについては,以下のような授業展開を考えた.「(7)自然と人間」の「ア生物と環境」に関しては,1年次に学習した蒸散の発展として,人工光による蒸散量と葉温測定の実験や,生葉と処理葉(前日に葉を手でちぎった葉)の葉温の違いを測定する実験などを取り入れた授1業展開を考えた.「イ生物界のつりあい」に関しては,調査地情報と観察データの関連性が明確になり,生物とそれをとりまく環境を物質移動(生態系)としてとらえることが実感を持って理解できるように,土壌動物の観察において,土壌の採取地の選定から考えさせたり,実際に生徒に採取を行わせたりする自然体験充実型の授業展開を考えた.
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