平成18年度より取り組んできた、小・中学校における科学実験教室の実施状況調査と課題の抽出結果を論文の形で報告すると共に、県内および福岡県の小・中学校で行われている理科実験の状況とニーズについて聞き取り調査を行った。その結果理科実験の教育効果が検証され、どのような実験が現場では実施困難で、遠隔実験が有効と考えられるかについて検討を行った。 同時に小・中学校で行われている力学分野の実験教材の開発と実践を行い、成果を論文にまとめた。ここでは、研究室の卒業研究の学生が実際に小・中学校に赴き、グループ毎に新たに設計した実験装置を製作させ、実験を行うことにより、力のつり合いについての児童・生徒の理解を深めさせるという成果が得られた。遠隔実験装置として陰極線の実験装置を製作し、その成果を論文にまとめたものを平成20年度4月に発表した。ここではすでに購入済みのインターフェースボックスを使用して、動画像と制御ボタンが一つの実行画面で観察・操作できるようにした。実際に使用する場合には小・中学校に整備されている豊の国ハイパーネットワークの教育用VLANに載せる必要があるため、観察に必要な解像度は維持しつつも、リアルタイムの動画像が遅延なく送受信出来るように帯域を小さくおさえるように工夫をした。さらに本経費で遠隔制御に必要なインターフェースボックス等の必要機器を揃え、さらに気柱の共鳴の遠隔実験装置を製作した。
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