研究概要 |
地球温暖化防止対策として,森林の保全および生物資源である木材の利用の有用性を理解することによって,地球温暖化防止活動への参画態度形成に貢献すると共に,資源循環型社会の構築のための基本的な知識を習得し,環境に調和した持続可能な資源循環型社会を実現するための実践的態度を育てることを目標とした学習プログラムの充実,改善を目的として,学習プログラムに沿った様々な学習指導例を立案すると共に,その実施に必要な教材教具の開発を行い,この実践を通して,立案した学習指導事例の有効性の検証を行った。 まず,地球温暖化防止に貢献する木質資源の循環利用に関する基本的な事柄について知るための児童向け学習教材として制作したDVD教材「木の力」〜地球温暖化防止と木材利用〜を用い,小学校5年生(120名),中学校1年生(180名),高校1年生(73名)を対象に授業を行った結果,地球温暖化防止対策としての二酸化炭素排出量の削減に貢献する森林の役割と木材利用の意義についての知識が得られたことが確認された。さらに,今後の行動意欲として,主に樹木を植えることや,木製品を大切に使うことの意識が得られたことが明らかとなった。そこで,この結果を踏まえ,木製品を大切に長く使う行動実践を促すために,環境保全と宮崎の木材利用に関する学習と宮崎県産スギ材を用いたものづくりを組み合わせた実践を行った。その結果,環境保全に役立つ木材利用の意義について理解したことを日常行動に活かす学習内容として,木によるものづくり活動の有効性が示唆された。
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