平成19年度は、化学教育におけるプロジェクト授業(探究活動・課題研究の授業)のモデルを開発した。 (1)授業の要素の抽出 生徒の探究能力・問題解決能力の育成をめざした化学授業について、従来の理論研究や実践研究の資料を収集した。収集した資料を化学教育内容と学習指導法ごとに整理し、生徒の探究能力・問題解決能力の育成に効果があると判断される授業の要素を抽出した。 (2)授業の題材・教材の選定 日本とドイツの中等教育段階における化学教育について、教育課程の基準や生徒用教科書、教師用教授書を収集した。モデル開発にふさわしい、日本とドイツに共通した題材・教材として、「再生可能エネルギー」を選定した。 (3)授業モデルの開発 授業の要素と題材・教材の選定から総合的に判断し、化学教育におけるプロジェクト授業のモデルを開発した。授業の目標、配当時間数、内容構成、学習指導法、及び評価方法を検討した。生徒が実際に使用するワークシートや教材教具の原案を作成・製作した。 (4)授業モデルの試行の準備 次年度実施予定の授業モデルの試行にかかわる研究基盤を整備した。研究協力校と連携を取り、対象となる生徒の能力、興味・関心、ならびに学習状況を把握した。 (5)検討会議の開催 以上の研究の遂行のために、ドイツのキール大学自然科学教育研究所とベルリン自由大学化学・生化学研究所で検討会議を開催した。検討会議では、開発する授業モデルの目標、内容、方法等について、ならびに、研究協力校の生徒の学習状況等について議論した。研究代表者、分担者、海外共同研究者、及び協力者が参加した。
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