研究課題
本研究では、フィールドにおいて地球科学と環境問題を学べる学習・教育プログラムの開発を目的としている。この学習・教育プログラムは学習者が単独でも学べ、また、教育者は効率的に利用できるものを目指す。ユネスコは、地質学的に重要であり考古学・生態学的また文化的にも価値のある地域を地質遺産とよび、地球科学や環境教育に資することができる地質遺産地域をGeoparkとして認定している。今回の研究は、こうした動きを背景に、身近なフィールドを対象にして、地球科学教育に加えて、同時に環境問題について考える機会を与えることのできるGeopark教育プログラムの開発を行う本年度は、北部九州に位置し身近な教材として利用でき、Geoparkとして機能しうるフィールドとして、平尾台(古生代、カルスト台地、北九州国定公園)、都市緑地公園山田緑地(中生代、関門層群)、夜宮の珪化木(新生代、大辻層群、国指定天然記念物)、岩谷海岸(芦屋層群、玄海国定公園)、玄海砂丘(砂丘砂層、松原、玄海国定公園)、黒崎城跡(最終氷期〜近世、遺跡)、洞海湾(公害を克服した町北九州市の象徴)などについて、観察ルートの設定、適切な観察地点の選定、解説内容などを検討した。また、大学生を対象とした黒崎城跡の発掘現場の観察会を実施し、そのレポートなどから遺跡の観察が環境教育に有効であり、従来から実施されている環境教育に比べて、人のより深い心理に働きかける効果がある可能性が示された。これにより、遺跡をGeoparkに組み込むことの意義が確認されたと考えた。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件)
福岡県環境教育学会2007, -豊かな心五感を育む環境教育-.創立10周年記念誌
ページ: 14
わたしたちの自然史100号記念号 100号
ページ: 62
日本なるほど知図帳2008
ページ: 88-89