研究課題
初等的な物理学を広く有機的に学ぶための環境として、物理学の知識構造をトピックマップ技術に基づいて可視化したe-Learningを構築した。トピックマップは、情報層の具体的資料が表す主題を「トピック」、それらの間の関係を「関連」として、トピックと関連のネットワークにより情報の意味モデルを構築する。これにより、情報資料自体やそれを処理するコンピュータよりも、情報の主題を中心とする情報処理方法であるといえる。本研究では、物理学の基礎概念の系統のトピックマップを幹にして、これに、より高度な解説、実験や日常的現象、最新情報などのコンテンツを枝葉のように関連づける。このために、トピック型と関連型をコンテンツの性格により区別して、知識を階層化した。基礎概念の幹系統の階層に、より高度な理解のための解説の階層と、自然現象や技術的応用の階層とを付加して、基礎概念の主題に別階層の関連コンテンツを結合した。この多層化により複雑な知識の関係が取り扱いやすくなった。学習履歴解析から、学習者はトピックマップ型e-Learningシステム上では広い分野のコンテンツ学習を行う傾向があることが見られた。以上のような、基礎知識の系統学習から学習を任意に拡げる学習方法に加えて、プロジェクト学習などに見られる、自然現象や技術に関する高次の学習の過程で基礎知識の探索に及ぶような学習スタイルを可能にする必要もある。そこで次の多次元トピックマップ設計を考案した。即ち、物理以外の諸分野の知識マップと、自然・技術・社会に関する高次の主題のマップとを作成し、領域横断的な知識の関連づけを行う。領域ごとに異質の関連型を設定して、複数領域のマップを横断的関連により結合した多次元的トピックマップである。一方、授業受講生のアンケート調査では、学習初歩段階では初等テキスト学習順明記の要望が高かった。そこで、基礎知識に関しては補足的に線形学習マップを構成し、学習の導入とした。
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