研究概要 |
横浜市を主な対象地域として,地域環境の課題の発見,課題の解決策の実践を通じて地域環境を保・再生をおこなうことを可能とする,大学生を対象とした環境教育のアクションプログラムを開発することを目的とした。今年度は教育プログラムを実践する上で必要な以下の基礎調査と環境保全教育プログラムを開発し,実施した。 1.横浜市の酸性雨による土壌酸性化のリスクマップ作成のための調査と予測値の算定 横浜市北部を対象とし,土壌のpH,土壌の中和能の測定を行い,それに基づき,土壌酸性化の将来予測を行った。 2.大学キャンパス周辺のチョウ類のポテンシャル評価と大学キャンパスのチョウのビオトープを活用した環境保全教育の実施 横浜市港北ニュータウンに位置する大学キャンパスおよびその周辺の緑地を対象として,チョウを生物指標とした緑地のポテンシャル評価をおこなった。チョウが生息していなかった大学キャンパス保全林内にチョウのビオトープを創生し,ビオトープを活用した環境教育プログラムを実践した。また,ビオトープの創生効果,学生の教育効果の評価をおこなった。 3.横浜市全域を対象とした重金属の測定と下水処理水の影響 水生生物への環境基準が設定された亜鉛を対象とし,横浜市の主要な流域の河川中の亜鉛濃度を測定し,環境基準値との比較を行なった。また,濃度が高かった地点と下水処理水(再生水)の流入との関係性を明らかにした。 4.外来種タイワンシジミの分布調査と駆除を目的とした環境保全プログラムの実施 横浜市港北ニュータウンのせせらぎ5水系を対象として,外来種タイワンシジミの分布調査を実施した。その結果,タイワンシジミが最も高密度で生息していた水系で,その現状と駆除策を含む環境保全プログラムを実施した。
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