研究概要 |
横浜市を主な対象地域として、地域環境の課題の発見、解決策の実践を通じて地域環境の改善に貢献できる、大学生を対象とした環境調査と環境教育のアクションプログラムを実践することを目的とした。また、得られた情報の可視化と共有化ができるインターネット上のシステムを利用する環境教育プログラムを開発し、実施した。 1.地域のチョウ類を生物指標に用いた環境評価とビオトープの創生による環境保全教育プログラムの実施 港北ニュータウンの早渕川河川敷に環境保全種、目標種、希少種などを誘致目標種とする5つのチョウのビオトプを学生・市民で創生する環境保全教育プログラムを実践し、ビオトープの創生の効果を明らかにした。 2.温暖化による鳥類とチョウへの影響評価 横浜市の「自然観察の森」の20年間にわたる鳥相調査の解析と神奈川県および横浜市におけるチョウ類の布調査、横浜地方気象台の過去20年間の気温データを解析することにより、温度上昇と鳥類の初見日、終見日と有意な相関を示す鳥類、温度上昇に伴い分布が拡大したチョウ類を明らかにした。 3.横浜市の全域の酸性雨による土壌酸性化の予測値の算定とリスクマップの作成 平成19年度に測定した横浜市北部の土壌酸性化データに加え、本年度は横浜市中部と南部で土壌のpH,中和能を測定し、それに基づき土壌酸性化の将来予測を行い、市全域の土壌酸性化リスクマップを作成した。 4.大学保全林を対象とした自然資源のCD-ROMの作成と参加型環境教育プログラムの開発と実施 横浜市の緑地協定である大学保全林への関心、知識を深めることを目的としたCD-ROM教育教材を開発した。大学生・市民の参加者が保全林の情報を収集し、情報の電子マップによる可視化とweb2.0を用いた情報共有が可能となるインターネット上のシステムを利用する環境教育プログラムを開発し、実施した。
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