研究概要 |
(1)プログラミングにおける創造性を評価するためのモデルの提案(前期) UMLをベースにして,プログラミング初心者の利用を前提とするプログラム設計書式を提案した.書式は機能仕様書,関連記述書,詳細仕様書の3種類から構成される.これにより,学習者の考えるアルゴリズムの変化がデータ化され,学習成果の評価の対象となる. (2)評価システムの導入・評価(後期) 上記提案書式を用いた授業の実践を行った.対象は,中部大学の創成科目「創成B」の受講生(工学部1年生,約100名)である.本授業は,2名が1チームとなり,ロボットの作成とプログラミングを協同で行うようデザインされ,全15コマ(週1コマ135分)で実施される.学習者はロボットを動かすためのプログラミングを提案書式に基づいて設計した後,コーディングをするよう教育を受ける.本授業の実施後,記入されたデータの比較分析を行った結果から,学習者のアルゴリズムの変化が客観的な数値で確認された.この結果を踏まえて,評価システムの設計を進めている.本実践で得られた結果については,2008年7月に開催される情報処理学会ソフトウェア工学研究会で発表予定である. (3)学習者の協同プロセスの記録分析(後期) 創造活動におけるコラボレーションスキルの評価を目的として,前述した2名の協同作業で行われる科目「創成B」における学習者の活動についての記録を行った.また,学習者の協同に関する意識にどのような変化があったかについて,本授業の受講前と受講後にイメージマッピングの作成とアンケートによる調査を実施した.
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