研究概要 |
■研究計画の概要 本研究では,学生にオープンエンドの課題を課すことを繰り返し,「自分で考え」「自分で発見する」ことを何度も体験させる。その体験により学生の「数学」に対する見方や「考える」という行為自体にどのような変化が起きていくのかを調査して変容の経緯を明らかにする。そのため,平成19年度の本校入学生に対して,入学してから3年になるまで性格検査、創造性検査、数学に関する意識調査等の各種の調査を継続的に行い、創造性との関連性を中心にして分析を行った。 ■研究の成果 (1)創造性は1年から3年にかけて増加し、特に「思考の深さ」が有意に増加している。 (2)創造性と性格との関連性では、従来より知られている外向性、勤勉性、知性との関連性の他に、協調性との関連性が認められた。 (3)勤勉性の高い者ほど、数学に対する考え方が望ましい傾向にある。 (4)創造性の有無と数学に対する考え方の違いには、特に関連性はみられなかった。 (5)試行錯誤を伴う数学課題を未提出の者は、創造性が低い傾向が認められた。 (6)創造性は、数字や物理の成績とは全く関運していない。 (7)応用物理の実験レポートの考察が優れている者は、創造性も高い傾向が認められた。 (8)一部の実験・実習の評価と創造性との間では、有意の関連性が認められた。 ■今後の展望 一部の専門実技系科目で創造性との関連性がみられたことから、実験手法やレポートの評価方法等をさらに詳細に分析して、創造性を高めるための方策について検討していきたい。
|