本研究の本年度の研究成果は次のとおりである。 (1) テクノロジーやドリルを用いた授業の効果の検証 ドリルの利用については、これまでの問題集より多くの学生がほとんどの問題を解き、解答して提出している。しかし問題の量が少ないため、各担当教員が補充しているのが現状である。また、復習小テストについて、中谷がその取り組みについて学会発表した。 (2) 学生自らが行う達成度評価の方法とその効果の検証 長水、宮田、中谷が探究課題の達成度評価について方法を提案した。学生へのアンケートの結果、学生は探究課題を楽しいと感じ、自己評価を受け入れていることがわかった。また、TAMSと連携し、基礎数学のドリルに達成度チェック項目を付け、学生自身に評価させるようにした。 (3) 学生の主体的な活動を促すグラフ電卓とパソコンの活用方法の研究 探究課題やグラフアートのレポート提出など、継続的に取り組んでいる。 (4) テクノロジーの利用も含めた新しい数学教育のカリキュラムの検討 テクノロジーを利用する探究課題を、各学年で、目的(目標)、評価に応じて取り入れていく方向で検討中である。宮田が、学生の主体的な活動とも絡めて、「知識、作業、発見、表現、証明、発展」といった観点で課題への取り組みについて学会発表した。 (5) 研究集会による研究成果の収集と公開 6月の福井高専主催「第9回グラフ電卓活用研究会」では、6件の発表があった。また、平成21年3月には「第2回関数グラフアートカンファレンス」を東京で行い、優秀作品の表彰および作者(生徒・学生)による発表を行った。
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