本研究の本年度の研究成果は次のとおりである。 (1)テクノロジーやドリルを用いた授業の効果の検証(担当:宮田・中谷・坪川・柳原・朝倉・長水) ドリルについては、TAMSとの連携により「基礎数学」が電気書院から出版され、より多くの高専で利用されるようになった。今後、活用事例なども収集し、より効果的な利用方法を継続的に検討したい。学生の取り組みはおおむね良好である。また、「線形代数」および「微分積分」についても22年2月に出版された。探求課題における評価方法の検討は、本年度ではまとまらず、継続的な課題となった。 (2)学生自らが行う到達度評価の方法とその効果の検証(担当:中谷・長水) 学生自らが評価することで、課題への取り組みは良くなっていると感じられるが、それを検証するまでには至らなかった。今後継続的にデータを収集する必要がある。 (3)学生の主体的な活動を促すグラフ電卓とパソコンの活用方法の研究(担当:中谷・長水) 探究課題や関数グラフアートのレポート提出など、継続的に取り組んでいる。 (4)テクノロジーの利用も含めた新しい数学教育のカリキュラムの検討(担当:坪川・宮田・柳原・長水) 探求課題については、長期休暇における課題などでも対応できることが分かってきた。ただ、学生の基礎学力の低下の影響もあり、カリキュラムの検討にはまだ時間がかかる。 (5)研究集会による研究成果の収集と公開 6月の福井高専主催「第10回グラフ電卓活用研究会」では、6件の発表があった。また、平成22年3月には「第3回関数グラフアートカンファレンス」を東京で行った。今回は優秀作品の作成者にカンファレンス当日、作品のプレゼンをおこなってもらい、そのプレゼンも含めて評価を行い、表彰した。
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