研究概要 |
1.データロガーの開発 前年度末までに量産前試作段階まで到達していた,小型で安価なPIC応用データロガーの流通をめざし,最終的な仕様を確定した。その際,SDカード記録方式の安定化および風況調査以外のアナログセンサー入力を考慮して,AD変換前の入力回路(ボルテージフォロワ)を見直し,設計変更したプリント基板の量産化を行った。また,市販化を推し進めるためのリーフレットも製作した。フィールド試験を行いながら,データの信頼性について検討を加えた。その結果,不具合が改善され,市販ロガーで得られた結果との整合性も確認できた。一方,操作説明書やユーザインターフェースなどの利用環境についても,学校教育現場での展開を意図して,わかりやすい操作性をめざし,さらなる改善を続けた。 2.データロガーによる風況調査および教育的応用 再生可能エネルギー利用促進のための教育プロジェクト実例として,環境教育の積極的な推進のための小型安価なデータロギングシステムの設置を千葉県内の中学校において試みた。風力発電の盛んな地帯にある学校の子供達に対して,環境意識を調査するための目的で,まずは出前授業前後にアンケート調査した。その結果,教材風車やデータロガーによる風況調査システムの解説を通しての環境エネルギー教育により,風力発電に対する理解を深めることができたこと,および,地域環境問題と地球環境問題を正しく理解させれば,風力発電施設の増設を希望する結論が得られた。教材風車やデータロガーを用いての環境エネルギー教育の有効性を示しているものと考えられる。実際の風況調査結果の解析や,その他のサイトも含めた総合的な啓発webサイトの開拓については今後の継続課題である。
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