研究課題/領域番号 |
19500775
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 智之 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 支所長 (60353835)
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研究分担者 |
大石 康彦 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, グループ長 (80353605)
井上 真理子 独立行政法人森林総合研究所, 多摩森林科学園, 研究員 (30414478)
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キーワード | 森林環境教育 / 循環型資源 / 木材 / 顕微鏡写真 / 浮力 / 割り箸 / プログラム |
研究概要 |
国産材利用の推進が持続可能な循環型社会の実現につながるものであることへの国民の理解を得ていくことは環境教育のテーマとしても最も重要なものの一つである。しかし、これまでの木材利用に関する学習は従来の木工の技術指導にとどまっている。そのため、循環型資源としての木材の良さやその利用の意義を学ぶ木育が推進されており、そのためには標本等の実物の木材を使った教材の開発と実践が必要である。 そこで、木の環境学習のための教材の開発を行い、循環型社会における木材の役割を重視した3種類のプログラムを作成した。また、実践を通じて効果を検証した。開発した教材は、(1)基礎知識として木材の組織的構造を学習する教材:針葉樹材と広葉樹材の識別に始まる木の種類、国産材と外材の区別などを学ぶために、日本の代表的なヒノキとケヤキを選定した。それらの3cm角の木片(ルーペでの観察用)と3断面の光学顕微鏡写真およびSEM写真のそれぞれを一面とした正6面体の立体模型の教材、(2)木材の密度の多様性を体感する教材:軽〜重(比重:約0.3〜1.1)までの密度の異なる6樹種の木材片(2cm角で長さ15cm)(水に浮くかの実験用)。補足的に身近な木材である割り箸を利用した。また、それぞれの教材を使って、環境学習のためのプログラムを開発し、カーボンニュートラルな資源である木材の特性と性質を、木材の組織的構造に注目させながら理解できるようにした。 開発したプログラムは、中学生を対象とした実践、小学校低学年からお年寄りまで幅広い年齢構成を対象とした実践、高校生を対象とした実践を行い、受講生へのアンケート調査を行った。その結果高い評価が得られ、木材を使った環境学習としての効果が見られるプログラムを開発することができた。
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