従来の絶対音感習得訓練においては、訓練者がピアノで弾いた和音を幼児にきかせることで訓練を行ってきたが、本年度、パソコンによる訓練プログラムを作成した。具体的には、訓練課題である和音判別課題をパソコン音源から出題し、各和音を示すアイコンをパソコン画面上に表示する。幼児は正答と思う和音のアイコンをクリックすることで回答し、画面には正答であればその旨を知らせる画面、不正解であれば正答を知らせる画面を表示するようにする。 これまでピアノ音で訓練をおこなってきた数人の幼児に対し、パソコンでの訓練を試みたところ、正答率や答えやすさ、訓練効果についても、ピアノ音より著しく劣る点がないことが確認され、訓練者の大幅な負担軽減が実現できた。さらにほとんどの幼児が2週間ほど練習を重ねれば、独力でマウスを操作し、画面をクリックして回答できることも確認できた。 出題のタイミングや誤答の際のフィードバック等、プログラムに多少改善の余地はあるものの、最低限訓練に必要な動作をパソコンで実現させることができたことを受け、次年度は結果を自動集計するプログラムを作成することによって、より訓練状況の把握を容易にし、被訓練者へのフィードバックを的確にすることが課題となる。
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