研究概要 |
本研究は,組み込みシステム開発に関する講義・演習を,特に社会人に向けて展開するための遠隔教育支援システムの開発を目的とするものであり,サーバ仮想化による開発環境構築と,遠隔教材の開発を行った.組み込みシステム開発環境は,特定のOSや特定のハードウェアと必要とすることから,遠隔学習者に対しては,ハードウェア開発環境そのものは大学側で整備し,実習生はその開発環境を遠隔で使用すると共に,演習を円滑に進めるためにも,演習期間中は1人の実習生が1つの開発環境を占有することが望ましい.そこで,サーバ仮想化技術を用い,物理的な1台のサーバ内に複数の仮想マシンを実行させ,実習生には開発環境を占有しているように見せる技術の開発を行った.また,遠隔学習者に適用する前に,通学している学生の授業に適用し,本システムの有効性を確認した.この授業では3人1組で構成される8グループが組み込みシステム開発を行うもので,1台の開発サーバに8グループが同時にアクセスし開発演習を行った.この授業への適用により問題点の抽出と改善を行うことができた. さらに,本システムを適用する教材の開発を行った.これは,通学生向けに実施している授業教材を遠隔学習用に改変するものであり,昨年度開発を行った遠隔実習システムを使用し,実際に遠隔学習者への試用を行った.
|