研究課題/領域番号 |
19500795
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
小西 達裕 静岡大学, 情報学部, 教授 (30234800)
|
研究分担者 |
伊東 幸宏 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (20193526)
近藤 真 静岡大学, 情報学部, 教授 (30225627)
|
キーワード | 知的教育システム / 日本語教育 / Focus on Form / 対話システム / 対話訓練 |
研究概要 |
1)文法的形式に適切に注意を向けさせる戦略を適用する前提としての、学習者の誤り検出機構の整備 昨年度までの検討で、必要な語句の欠落と不要な語句の付加という2タイプの誤りについては高い精度で検出できる機構を作成できた。本年度は、位置誤り・混同誤り・誤形成についても検出する機構を開発した。またそれらの誤りが、どの言語形式(文法項目)に関係するものかを分析する機構を開発し、これらを統合して、学習者がどの言語形式に対して弱点を持っているかの評価機能を実現した。 2)シチュエーション知識生成の拡張 対話中に学習者からシステムに入力されるべぉ情報を規定するシチュエーション知識を生成する機構に関して、1)で述べた誤り検出を言語形式レベルで行うために、シチュエーション知識の中にそこで用いるべき言語形式を規定できるように表現方法を拡張した。またこの表現方法によるシチュエーション知識の記述の労力を低減するオーサリングツールを開発した。 3)実用上追加すべき機能に関する検討 日本語教育の抱負な経験を有する教員とのディスカッションを通じて、本システムでこれまで前提としていた単語自体を知らないという誤りは起こらないという仮定は、日本語教育の現場からするとあまり現実的ではないという知見を得た。また文献調査を通じて、単語の知識のなさからくるものを含むコミュニケーションの失敗をリカバリーする方法である意味交渉に関する研究が第二原語教育の分野で盛んに行われているという知見を得た。以上より、意味交渉の能力を養成する学習支援システムを構築することの重要性が明らかになった。今後、この点に着目した検討を進める。
|