研究概要 |
本研究は,オンラインテストにおいて,受講者の解答としての数式の正誤評価を可能にする教材システムを開発することと,そのシステムとCMSとの運携を実現することを目的としている。この目的を達成するために,3年目にあたる本年度においては,(1)数式処理可能なオンラインテストを含むWeb教材システムの開発を初年度から継続して行うと同時に,(2)CMSとWeb教材システムとの連携に関して,昨年から取り組んでいる,イギリスで開発されたSTACKというシステムの整備とオンラインテストの蓄積を行ってきた。 (1)については,主にMapleとMapleNetを利用したオンライン教材の開発を継続するとともに,Mapleで作成されたグラフなどをTeX文形式に変換することのできるKETpicというライブラリを,Web上から利用できるシステムを開発した。これにより,手元に数式処理ソフトウェアがなくとも,美しい図入り配布教材をWeb上で作成することが可能になった。 (2)については,昨年よりSTACKの日本語化,様々なバグ修正を行ってきたが,それがほぼ完成し,CMSであるMoodleで,数式処理ソフトウェアMaximaを利用した数式評価可能な問題を含む小テストを作成することができるようになった。インストーラの日本語化を含む整備が行われ,広く配布する準備を整えることができた。また,今年度は主に数学の問題(初等計算から微分方程式の問題)を作成し,さらに物理学などの自然科学の問題にも応用できることを見いだした。
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