研究概要 |
大学生および小中学生を対象としたプロジェクト型学習(Project Based Learning)において,デジタルストーリーテリング(以下「DST」と略記)をどのように制作するかや学習成果の活用について,以下のことがらを研究、実践してきた。 (1)DST制作を活かす学習環境の設計 DSTを学習の場で活かすには,情報発信を重視した構成主義の学習論に基づく授業でDST制作を行い,学習成果を学習仲間と共に共有し合うことが重要である。特にどのようなテーマで学び,学習してきたことを整理、まとめることにDSTの手法が役立つ。 (2)ストーリー構成力の育成と学習支援 DST制作で,画像(写真,絵など)を収集、配列することがストーリー構成を行う上で効果があり,その過程で教師が適切に支援することが重要であった。また,ストーリー構成をする上で,「物語文法」の研究(1975)にも注目し,DSTのための物語文法について検討した。 (3)Webサーバーの構築と大学生用イーラーニングコースウェアの開発 DST作品を蓄積し,Web上で学習成果を共有、交流できるようにWebサーバーを構築した。また,大学生がデジタルストーリーテリングの制作方法について学ぶことができる支援マニュアルやイーラーニングコースウェアを開発した。 (4)大学および小学校授業でのDST制作 申請者(須曽野)が担当する授業「教育工学」「教育実践演習」「情報化社会と著作権」で,参加大学生がプロジェクト型学習(テーマ「もったいない」「著作権の問題」など)を進め,DSTを制作した。また,大学近隣の公立小学校で,国際交流学習を内容としたPBLで,児童がDSTを作り,大学生がその活動をサポートした。
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