研究課題
本研究は、情報通信技術を習得するためのe-learningシステムを構築することを目的としている。同システムでは、学習項目をノードとし項目間の関係を枝で表した学習項目グラフを内部に持ち、学習者の知識を同グラフに投影することにより、個々に適した学習内容・学習順序を動的に決定する。学習項目グラフをもとに、以下のような学習方法を実現するシステムを目指す。(1)理論と設定方法を平行して学習するネットワークのように目に見えないものを理解しようとする場合、理論の学習ばかりを続けるよりは、実際の設定方法の学習を組み合わせた方が、学習効果が向上する。そこで、理論と設定方法を平行して学習する。(2)理論に関する知識が多い部分から学習を開始する次に何を学習するかを決定するにあたって、学習者の知識状況において、関連する知識が多い項目を優先する。(3)理論に関連する学習だけを先に行うのではなく、設定方法や経験などとの関連をなるべく早く学習させ、個別のアプリケーションを理解していくようにする(トップダウンアプローチ)。平成19年度は、同システムにおける学習方法を検討するために、オーストラリアEdith Cowan UniversityのP.S.Maj准教授の提唱するstate modelをSE養成の授業に取り入れ、実際の授業で実証実験を行い同学習方法の効果を検証した。また、学習項目グラフを用いて学習項目や学習順序を自動的に決定するための方法についての検討を行い、複数の順序決定基準を策定し、学習順序決定プログラムをを作成して、検討した基準の妥当性についての実験・検討を行った。更に、IT技術の学習項目間の関係の傾向を調査するために、IT教育で用いられている教科書に対して、我々の想定するグラフモデルに対応させ、各教科書の学習項目グラフの比較を行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
教育システム情報学会 研究報告 vol.22, no.6
ページ: 168-175
Proc. of International Conference on Information Technology Based Higher Education and Training
ページ: 298-303
ページ: 359-363