研究概要 |
21年度は,奈良市に加えて,とりわけ松阪市と連携し,授業研究や実地調査,学習会,そして研究会議を行い、立地や規模,また各学校の特色を活かす取組遂行におけるミドルリーダーの役割の整理とモデル化を試みた(異校園種連携教育推進ガイドブック実践ファーストステップ編」『学びの連携 実践報告集』(松阪市教育委員会22年1月)). 次に,ICTの効果的な活用や情報教育で小中連携を試みようとする学校をより支援していく方法を詳細化していくために,子どものニーズや行動,それに対する教員のズレ,また将来教師を目指す教員養成学年のズレを調査により明らかにし,その結果をEuropean Educational Research Associationの年次国際会議で発表し,その取り組みの評価を得るとともに,合わせてヨーロッパでの小中連携の試みやミドルリーダーの役割などついて情報収集を行った. また、学力向上の取り組みで試みられてきた少人数指導に目を向け,県内すべての学校を対象に調査を行い,少人数指導の成果と課題を明らかにした(奈良県教育委員会のWWWで公開予定).これにより中学校区として学力向上に効果的な成果を出している取り組みの特徴を,少人数指導の効果的な活用の視点からも考察し,小中連携の取り組みの1つとして,少人数指導の持ちうる可能性を検討した.そして効果的に小学校と中学校で連携をしていく際の具体的な取り組みとして,教育方法の工夫(少人数指導に固有な教育方法の知見を小中学校で共有し,活かしていく),及び,それを進める際のミドルリーダの役割についても検討を行った. 以上の得られた情報を情報共有システムに掲載する情報の精選と編集作業にかけ,これまで研究協力者や学校との間だけでクローズで行ってきたネットワークによる試行を,オーブンにするための情報精査やインタフェースの見直し作業を行った。
|