携帯電話は、障害者にとって潜在的には最も使用してみたいIT機器の一つであるが、使用するには大きな困難を伴う機器でもあると言え、この部分の改良が進めば、極めて有効な情報ツールとなる可能性を有している。そこで、本研究では障害者にとって最も身近で有効なコミュニケーション・ツールとなる可能性を持つ携帯電話のユーザ・インタフェース部分の改良を目的とし、障害を持ったユーザにおいても出来るだけ簡単にこれらの操作が行えるような音声インタフェースの開発を行った。 ここでは入力をリアルタイムで制御するシステムをVisual Basicを用いて作成した。最初にプログラムが起動されると、USBインタフェースを初めとするハードウェアの初期化を行い、コンピュータとこれらの接続を行う。その後、前回にこのシステムを利用した時の電話番号とその氏名の復元を自動的に行う。これらが完了すれば、プログラムのユーザ・インタフェース部分に制御が移り、電話番号の表示が開始される。ユーザが発信したい電話番号がスキャンされた時に、マイクから「発信」と発声する事により、USBインタフェースに接続された発信スイッチを押す事と同様の操作が可能になる。それにより電話発信プログラムに制御が移り、電話番号の発信等の操作を行う事が可能になる。 本研究で試作したシステムを使用して音声のみで携帯電話の発信が可能な事が確認された。これはキーボードの操作が困難なユーザにおいてユーザ・インタフェース操作性向上の可能性を示すものであ
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