研究概要 |
本研究では大学などにおける多人数を対象とした電子回路作成などの実技も含む、組込みソフトウエア開発教育に特化した教育指導支援システムの開発を行った。この教育支援システムは、100名を超える多人数の学習者を少人数の指導者で教育する際に教育効果を向上させるもので、ウェブ型実験手順書とエディタやコンパイラの操作記録・ログ等をサーバにおいてリアルタイム解析し、指導者に逐次フィードバックする機能を持つ。東北学院大学工学部電子工学科では平成18年度から19年度にかけて、同学科2,3年生を対象に「電子工学実験」を実施した。この学生実験は前期15回、後期15回、各回90分x2行われ、それぞれ100名程度の学生が受講している。この学生実験では当該システムによるウェブ型手順書を採用し、実証分析を行った。学生達が閲覧したウェブ内の移動の様子を独自のプログラムによって時系列に解析した結果をチャート化することで各閲覧ページの内容がどのような相関を持つかを可視化することに成功した。これをもちいることにより閲覧者のアクセスパターンから、閲覧者が迷いや停滞の状態にいることを検出することが容易になり、指導効率を向上させることが可能であると考えられる。また、文字を含まない画像のみのスライド群による実験手順書の各ページ間を閲覧者がどのように移動しているかを直感的に捕らえることができ、それによって各ページ間の関連性の程度を把握できることから、教材を改善すべき箇所を明確に見出すことが可能である。
|