本研究の目的は、大学の内外で近年強調されてきた「人間力育成」の動きに高等教育機関として対応するために、(1)創成学習の学習指導に用いることができる学習プロセスモデルの検討、(2)大学における研究や教育などの知識創造プロセスの促進のためのナレッジマネジメントモデルの普及版の開発、(3)チーム学習、プロジェクト学習で活用可能なプロセスモデルの検討、(4)学習者の知識創造のプロセスを評価可能な新たな学習評価手法(プロジェクト知識創造試算表)の開発、および(5)地域振興における学習でこのモデルを応用するための多様な知識創造活動の支援方法の検討である。 2008年度度は、創成教育などの工学・科学教育に応用するために金沢工業大学のシラバスの改革に関連するアンケート等を実施し、そのとりまとめを行った。 まず学習者による人間力への関心や学習行動の差を見るために、金沢工業大学内の複数のクラスの学生の学習履歴の確認と学生へのインタビューとフォーカスグループ調査をまとめ、成績や興味関心による差を見出そうとした。 次に、サーキットモデルの金沢工業大学の新学習プロセス(CLIP)への参加度を確認するために、金沢工業大学での学生を対象としたアンケート調査を実施して、新学習プロセスの認識度や人間力の認識などを調査した。 一方地域振興における学習モデルの展開については、北海道浜中町の環境保全に関連するエンパワーメントや地域住民が地域づくりに参加した組織学習について調査し、強固な組織を持たない場でも進められていることの立証を試み、一部の尾成果を発表した。
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