研究概要 |
本年度は,以下の内容について行った. (1)ベイジアン・ネットワークの検討 前年度開発した内省的学習支援システムによる授業実践から収集した学習・評価活動の履歴データを用いることで,ベイジアン・ネットワークの検討を行った.その際,決定木を用いた場合とベイジアン・ネットワークを用いた場合とで,どちらが現実的な動作と支援が可能なシステムとして実装できるか議論した. (2)内省的学習支援システムへの仮実装 単純なベイジアン・ネットワークモデルを内省的学習支援システムに対し仮実装した.その結果,内省的学習支援システムの学習活動と評価活動支援機能の改修の必要性が明らかになった. (3)学習者適応e-Learningシステムのプロトタイプの開発 内省学習支援システムの改修し,モデル実装を考慮に入れた学習者適応e-Learningシステムを開発した.このプロトタイプシステムは,学習と評価の一体化の支援を可能にしたeポートフォリオ・システムとしての利用を想定しており,ベイジアンフネットワークを実装する際の基盤システムの役割を担うことが期待できる. (4)研究のまとめと今後の課題の検討 本研究を通したまとめと今後の課題について検討を行った.今後,ベイジアン・ネットワークの研究が進むにつれ,それを実装するための学習支援システムが求められるが,その要件となるシステム構成や機能等の実現方式は,本研究の成果が活かされると期待できる.
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