研究概要 |
本研究では,大学生に対して教材作成に必要な知識,スキルを教授し,さらに教育現場で利用される教材を作成してもらうことによって,大学生を教材作成ができる人材に育成することを目指し, 1,教材作成を開発するためのインストラクショナルデザインに関する知識,スキルを獲得させるためのeラーニング教材を開発し,2,開発したeラーニング教材を用いた授業案の開発,実践を行い,授業実践の評価を行なう,ことを目的としている. 本年度は,最終年度ということで,実践の評価を中心に行った.学生の専門や動機づけを考慮し,学生が主体的に学習課題に取り組むことを目指して,構成主義的アプローチに基づいた情報実習のデザインを行い,その実践に対して小学校の英語教材を作成するグループを対象に質的に評価した. その結果として,学生が教材制作の過程でユーザーを意識することによって,「使いやすさ」や「わかりやすさ」を考慮することの重要性に気づき,情報表現力を深めたことが分かった.そのプロセスには,小学校教員との意見交換により教材を批判的にふりかえることができたことや自分の経験を活かした教材制作ができたことが影響して,学習課題に対する動機づけが向上していたことが指摘された.そして意見交換を通じて,利用者が教材を活用している状況をイメージできたことがより学習者の動機づけを高める際に影響を与えていることも指摘された.また,学生の専門との関連と本物の問題を学習課題に取り込むことで,学生は教材制作に取り組む中で動機付けが高まり,自分なりの目標を立て主体的に課題に取り組んでいることが明らかとなった. 本研究により,教材作成を開発することを学ぶためのeラーニング教材の開発及び授業デザインを行い,学生が実際に活用できる教材を開発することができるようになった.
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