研究概要 |
(1)ナビゲーション戦略の論理的根拠の検討 大学における一般科目としての情報教育において,これまで個々教員がそれぞれの力量や経験や教育観で行なってきた科目設計の方法の改善のために,ナビゲーション戦略(教員の視座・視点の明確化に始まり,育成する能力の明確化,授業方針の明確化,シラバス作成,毎回の授業内容の構成に至るまでの設計の流れに一貫性を持たせたしくみ)の根幹となるフレームを定めた。具体的には、「科目デザインプロセス」((1)科目デザインに必要な項目の抽出作業と学習目標の設定シートへの記入作業、(2)科目デザインに必要な項目の優先順位の決定作業と科目デザイン項目シートへの記入作業、(3)ひな形シラバスシートへの記入作業、(4)授業スケジュールシートへの記入作業)を構成し、従来のシラバス作成から授業実施過程において、個々の教員の意識の中に隠れていた科目デザインの手法を「可視化」する方法論を打ち立てた。 (2)大学での一般教育としての情報教育科目の種類の検討とその科目で育成すべき能力の検討 考案した「学習目標設定シート」は、科目を学習する上で「事前に必要な能力」、「学習目標とする能力」、科目を学ぶことで身に付けられる「社会から期待される能力」の見極めを可能とした。 (3)ナビゲーション戦略に基づく科目設計の詳細フレームの検討と具体的な授業設計の実施 横山が(1)(2)の成果をもとに、分担者の松永が担当する科目(H19年度後期、1年、「プログラミング基礎」、87名)の科目設計を行い、松永が授業実践を行った。結果として、ナビゲーション戦略としての「科目デザインプロセス」の実行性を確認した。 (4)平成20年度に実施予定の授業実践の研究協力校の開拓 分担者らが所属する大学(大阪電気通信大学、摂南大学、大阪商業大学、他)において、H20年度に授業実践が行える体制を整えた。
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