研究概要 |
バスケットボール競技の底辺層の試合での使用を目的に,評価版のバスケットボールデータ管理システムBM(Basketball data Management system)を作成し,以下のような成果を上げるとともに,平成20年度以降の本格的な評価改善と普及のための環境を整備した. 1.評価版BMのデータ解析機能の充実 ボックススコアやランニングスコアシートなどの通常の解析手法に加えて,新たにシュートの位置情報に着目した3次元解析表示システムを構築した.その結果,データの多角的な解析のみならず,高さを利用したフォーメーションプレイ等の立体表示などへの応用が可能となった. 2.選手へのアドバイスための自動推論機能の検討 本機能は本研究の最もアピールできる部分であるが,その一方で実現が非常に難しい機能でもあるため,まずは評価の容易なタイムアウトや選手交代のタイミングなどに関する簡単な推論機構から始めて,評価改善を繰り返しながら機能を充実させていくことを確認した.また,次年度における本格的研究のためのスタッフ体制も整ったために,優先順位を上げて取り組むこととした. 3.分散型データ収集システムの構築 BMの基本的な使用環境は,試合コートのベンチにいるマネージャー等が,1台のタブレットPCで全てのデータを入力する集中型を採用している.その一方で,複数台のPCを無線接続してデータ入力を分散させる方法も並行して検討してきた.その結果,当初予定していた無線LANアクセスポイントやBluetoothによらなくても,アドホック通信を用いれば容易に実現できる見通しが立ち,その評価版を作成した. 4.本システムの導入によるクラブ活動の活性化について 12台のタブレットPCを購入し,それらを本校の本研究担当者と東北地区の他高専6校に提供し,更にWebを利用したアンケートシステムを構築した。これにより,BMのスパイラル的な開発評価が可能となり,それと同時に電子システムの有効利用によるクラブ活動活性化のための情報発信の環境が整った.
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