研究概要 |
前年度までに開発してきたバスケットボールデータ管理システムBM(Basketball data Management system)について評価を行い,システムの高機能化の必要性から,次に示す二つの機能の実現を図った。 (1)選手の活躍度に基づくコーチング支援機能 前年度に開発に着手した機能であるが,平成21年度は,タイムアウトと選手交代のタイミングに限定してアドバイスするという当初の方針を変更し,選手のポジションや選手への期待度に応じて試合中の「活躍度」をリアルタイムで計算しながら,その時間的な推移や警告メッセージを表示する機能を実現した。BMの標準的な解析データに加えて,このような試合中の選手の好不調を考慮した解析結果は,コーチが戦術を練り,望ましい試合展開に結びつけるための有効な判断材料となることが期待できる。 (2)3Dシュート情報解析機能 シュートの位置や成否を記録したデータは,チームや選手の得点力を知る上で極めて有用であるため,BMのサブシステムとして,シュートに関する詳細な情報を収集及び解析する機能の開発を進めてきた。平成21年度は,その最終段階として,本機能の拡張と高信頼化を目的に,シュートの成否確率に応じてシュート位置とその近傍を色分けする機能,その色分けした部分に高さを加えて表現するハイトフィールド機能,及びシュートに至るまでの両チームの選手やボールの動きをアニメーションとして3D表現できる作戦盤機能を実現した。 当初の計画では,前年度までのBMの普及活動を目的として,近隣の学校等の指導者や生徒を対象にした利用者講習会を実施する予定であったが,BMの付加価値を高めることを優先すべきであると判断し,その開発に重点的に取り組んだ。その結果,入力及び解析画面ともに,操作性と機能性の観点から優れたインタフェースとして実現でき,高いパフォーマンスを得ることができるようになった。なお,BMの利用者講習会については,今後の継続課題として,積極的に取り組んでいく予定である。
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