本研究は、文献(書籍、論文、その他の図書資料)、および文書記録類(公文書、ドキュメント、データ等)を資料として、それらを読むことを通じて史実を再構成する、いわゆる文献実証の方法を採用する。その内容は、おもに、文書記録類の閲覧・摘記と文献の収集・分析である。 本年度は、9月にロシア連邦モスクワ市、およびサンクト=ペテルブルク市において16日間の調査・研究旅行を実施した。モスクワでは、モスクワに所在していた研究機関内部の共産党組織の文書記録類を所収しているモスクワ中央社会=政治史文書館、およびロシア科学アカデミー文書館、サンクト=ペテルブルク市では科学アカデミー文書館サンクト=ペテルブルク支部等において関連する文書記録類の調査・摘記を実施した。また、2月にも1週間、モスクワ市に出張し、ロシア科学アカデミー文書館、モスクワ国立大学物理学部記念館、およびロシア科学アカデミー・P.L.カピッツア名称物理問題研究所P.L.カピッツア記念館にて関連する文書記録類の調査・摘記・複写を実施した。 こうして収集した資料の整理、一部資料の抄訳については、日本語がわかる在日ロシア人に、研究補助者として協力をお願いした。 本年度は、資料分析の現時点における成果をとりまとめ、とりあえず勤務校の紀要の[調査研究報告]の部類に投稿した。また、研究成果の一部を活かし、従来からの課題と結びつけたかたちで、学会報告をおこなった。
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