本研究は、文献(書籍、論文、その他の図書資料)、および文書記録類(公文書、ドキュメント、データ等)を資料として、それらを読むことを通じて史実を再構成する、いわゆる文献実証の方法を採用する。その内容は、おもに、文書記録類の閲覧・摘記と文献の収集・分析である。 本年度は、9月12日~26日の間、ロシア連邦モスクワ市において資料調査にあたった。モスクワでは、ロシア科学アカデミー文書館の特別の配慮により、その休館日も含めて関連する文書記録類の調査・摘記を実施することができ、おかげで調査課題については本研究の所期の目的をほぼ果たすことができた。こうして収集した資料を解読し、調査研究報告書として、勤務校の紀要に発表した。 最終年度となる本年度、3年間にわたる調査研究の結果を考察し、その成果を学術論文のかたちにまとめ発表した(発表誌については、期日の関係で、やはり紀要のひとつにお願いすることになった)。また、本研究において発表した調査報告書、論文をひとつにまとめた小冊子を作成し、科学史分野のみならず、ロシア史分野の広範な研究者に配布した。さらに、研究結果については、ロシア科学アカデミー・S.I.ヴァヴィロフ名称自然科学史=技術史研究所技術史=工学史部の知己からの要請に従い、2010年2月にモスクワに3日間だけ出張し、同月25日に同部主催で開催されたセミナー規模の研究会「大祖国戦争勝利65周年記念学術会議」においてロシア語で発表した。
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