研究課題
工業技術博物館は、準備室発足の昭和56年から、工作機械等の実機ばかりでなく、文献資料や工作機械等の製作用図面を収集している。特に、収集した資料中には、「平成14年8月に廃業した日立精機(株)にて、大正期〜昭和初期頃まで設計・製造された工作機械・機械部品の図面」が含まれている。この図面の内、和紙に描かれた「原図」は、278機種あり、その内訳は、工作機械は79%、機械部品が19%、その他が2%である。これらの図面が社外に持ち出されることは皆無であることから察しても、本資料は当時の工作機械技術を考察するには極めて貴重な資料である。平成20年度は、「収集・保存されている製作用図面のデジタル・データ化の推進」と「本データベース・システムの試用」を行った。1.「収集・保存されている製作用図面のデジタル・データ化の推進」先述の製作用図面を新規購入した大判スキャナーを用い、大型図面をデジタル化のための諸条件を検討して、全体の約40%のデジタル化を実施した。また、デジタル・データ化を終えた製作用図面は、折り込むことなく収納・保存可能な中性紙製の保存箱を用い一機種1箱を原則として、可能な限り紫外線・虫害等による劣化を抑制して保存することとした。2.「本データベース・システムの試用」得られた製作用図面の本デジタル・データは、大量・大型の画像データを取り扱うデータベースソフトとして官公庁・民間企業に納入されて実績のある、市販のジャパン・テクニカル・ソフトウェア(JTS)社のImageSever2000を用いてデータベースを構築している。また、ImageSever2000の基本的な機能を用いて、第一段階として当研究室内に設置したサーバーマシンを用いて、学内LANにより、本デジタル・データの閲覧を試み、成功した。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
HISTORY OF MECHANICAL TECHNOLOGY AND MECHANICAL DESIGN(CJICHMTMD-2008, Beijing)
ページ: 91-96
博物館研究 第43号
ページ: 10-12