研究概要 |
1、国内、国外における人類諸科学(自然人類学、文化人類学、民俗学、霊長類学)の歴史に関わる先行研究(論文、図書)を幅広く収集し、当該テーマに関する理解を深めるとともに、戦前・戦後の人類諸科学の主要著作・論文を収集、それについて分析を加える作業を行った。この作業を通じて、日本のポスト=コロニアル状況下における人類諸科学の展開についてある程度の見通しが得られたが、来年度からは特に戦後日本における霊長類学の歴史に焦点を絞り込んだ上で、さらに文献収集・分析を進めていく予定である。 2、平成17年度から研究代表者が運営している「植民地主義と学知研究会」において月1回程度の研究会を実施し、様々な領域の研究者から専門的知識の供与を受けた。(その際、関東以外の地域からも研究者を招聘した)また、研究代表者自身、当研究会において、当該テーマに関わる発表を2回実施した。 3、平成19年度の日本科学史学会総会(京都産業大学)において、「混血研究の政治学」と題する研究発表を行った。ここでは、戦後日本の「混血」をめぐる研究が、いかに戦時中の研究と連続しているか、さらには「混血」研究とポスト=コロニアル状況との関わりについて論じた。同テーマをさらに発展させた内容の発表を、平成20年5月の日本文化人類学会(京都大学)及び6月のAmerican Association for the Advancement of Science, Pacific Divisionのシンポジウム(ハワイ)で発表の予定である。
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