研究概要 |
鹿児島県内で採取して測定したテフラのルミネッセンス年代と「新編火山灰アトラス(町田・新井著)に記載された暦年較正年代は以下の通りである。 池田湖テフラ(IK:6.6/6.4ka)、鬼界幸屋テフラ(K-Ky:7.6/7.3ka)、桜島13テフラ(Sz-13:10.4/10.6ka)、桜島薩摩テフラ(Sz-S:13.6/12.8ka)、姶良妻屋テフラ(A-Tm:25.8/26-29ka)<ここで記載は(テフラ記号:ルミネッセンス年代/暦年較正年代)である>測定試料数が少ないので明確には言えないが、20,000kaより古い姶良妻屋はルミネッセンス年代<暦年校正年代の傾向が見られる。 三瓶起源テフラについても7点をサンプリングしてTL/OSL測定を実施した。三瓶緑ヶ丘テフラは三瓶浮布テフラ(SUK)とほぼ同時に降下したと考えられるが、SUKの暦年較正年代が20-21ka(新編火山灰アトラス)であるのに対して測定したルミネッセンス年代は19kaであり、姶良妻屋テフラの場合と同様の傾向を示した。 最終的な結論を得るには、測定試料数を増やすことと、既存データの再検討が必要であるが、今年度に得られた測定値からは、IntCalO4における年輪年代を超える較正年代には問題が含まれている可能性を否定できない。
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