研究概要 |
(1)浅間山や三瓶山などを給源とし、既報年代が約14kaから25kaの相当するテフラ(As-YP,As-MP,SUKなど)7試料をサンプリングしてルミネッセンス法による年代測定を行った。 (2)新編火山灰アトラス(町田洋・新井房夫(2003))を基本として、C-14年代法によって測定されたテフラの年代を集積し、未較正のC-14年代値についてはIntCal04により年代値を較正した。 (3)以上のデータと既に得られているテフラのルミネッセンス年代値を適用して、約6kaから約30kaまでのテフラ年代(14テフラ層を対象とした18測定値)にっいて、ルミネッセンス年代とC-14較正年代のクロスチェックを行った。その結果、年輪年代によって較正されたC-14年代の範囲と珊瑚の年縞によって較正された若い年代に相当する約6kaから17kaの範囲では両者はよく一致した。約20kaを超える範囲ではC-14年代がいくらか過剰に較正されている傾向が窺えるが、必ずしも確定的ではない。珊瑚の年縞によって較正されたC-14年代が年輪年代で較正されたC-14年代と同じ程度の信頼性があるかどうかについて厳密に議論するためには、以下の点について更に検討することが必要である。(A)C-14年代値が得られているテフラとルミネッセンス年代測定試料を採取した層序の関係を明らかにすること(特に、浅問山起源のテフラ)、(B)ルミネッセンス年代値の誤差を可能な限り小さくすること、(C)30kaを超える年代値の範囲も含めてルミネッセンス年代測定試料の数を増やし、較正されたC-14年代値とのクロスチェックを統計的に処理すること。
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