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2007 年度 実績報告書

蓄積型自然放射線量とX線分析による古代ガラス・セラミックス材質の考古科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500875
研究機関独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所

研究代表者

降幡 順子  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (60372182)

研究分担者 肥塚 隆保  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (10099955)
高妻 洋成  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究員 (80234699)
キーワード蓄積型自然放射線 / 陶磁器 / 古代ガラス / 材質分析 / イメージングプレート
研究概要

古代ガラス・セラミックスの材質調査から、当時の流通・技術伝播や権力機構による分配の構造を明らかにし、またアジア全体での産地の変遷と、日本国内での材質の変遷を併せて考察していくことにより、当時の産業・技術史的な流れを解明することを目的としている。
具体的内容としては、本年度は、まず調査資料として、全国の遺跡から出土しているガラス・陶磁器資料の選別をおこなった。目的を達するための条件に符号していると考えられる資料について、現在約60遺跡出土のガラス・陶磁器についておよそ170点の資料選別が完了している。選別した資料のうち、本年度に借用できた資料に関してはイメージングプレートを用いたCR(コンピューテッドラジオグラフィー)法により内部構造調査、画像解析、鉛ケイ酸塩ガラスとアルカリケイ酸塩ガラスの分類をおこなった。さらに各資料において表面風化の状態調査をおこない、表面部分または一部資料については、内部の健全なガラス質部分の化学組成を明らかにするために、X線分析をおこなった。
さらに、AR(オートラジオグラフィー)法によるガラス材質の迅速な識別化を行うとともに、基礎的研究として、ガラスおよび粘土の標準試料を利用し、蓄積した自然放射線量を数値化するための実験をおこなった。
資料選別は、分析資料の出土状況や遺跡の知見など考古学との関連付けと行うことは、その資料の特徴を把握することは大変重要となるため、ガラスについて、資料選別がほぼ完了できたことの意義は大きい。また、AR法を用いた新しい比較検討法については、PSLの応答性に影響する要因について、標準試料を用いた実験から要因の一部については軽減できることか判明し、X線分析結果とのクロスチェックをおこなうなど、本手法の精度を高めていくことにより、出土遺物への利用の可能性が広がる意義は大きいといえる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 非損傷分析法測試黄冶窯唐三彩之特性2007

    • 著者名/発表者名
      降幡順子・巽淳一郎・除楓(訳)
    • 雑誌名

      華夏考古(Huaxia Archaeology Huaxia Kaogu) 2

      ページ: 142-152

  • [雑誌論文] Characteristics of tri-colored earthenware from the Huangye kiln site and the Hiejo Capital site determined by non-destructive analysis

    • 著者名/発表者名
      Junko Furihata, Junichiro Tatsumi
    • 雑誌名

      Scientific Research on the Ceramics Arts of Asia (掲載確定)

  • [学会発表] Technical Examination of some glass beads excavated in Japan2007

    • 著者名/発表者名
      降幡順子・田村朋美・肥塚隆保
    • 学会等名
      International Symposium on Conservation of Cultural Heritage in East Asia
    • 発表場所
      韓国(ソウル)
    • 年月日
      2007-11-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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