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2009 年度 実績報告書

火山灰編年法を地下地質に適用した関東平野の形成史解明

研究課題

研究課題/領域番号 19500886
研究機関首都大学東京

研究代表者

鈴木 毅彦  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (60240941)

キーワード地質学 / 地殻変動 / 地下地質 / 火山灰層序学 / 関東平野
研究概要

関東平野において,火山灰編年学的手法により地形と地下地質の構造を明らかにし,その平野形成モデルを構築するため,平成21年度は,以下の研究を行った.すなわち昨年度調査が完了しなかった町田コアの深度265m以上,また稲城コアの深度100m以上についての観察を行ない,あわせて新規に三鷹コアの505.5m分の観察を行なった.それぞれの堆積物・テフラ記載とテフラ試料の採取を行ない,扱ったテフラ全てに対して超音波洗浄器による洗浄を施し,その後,実体顕微鏡を用いて斑晶鉱物・火山ガラスの観察を行った.それらの中,火山ガラスが卓越するガラス質火山灰層試料については,温度変化型屈折率測定装置とエネルギー分散型X線分析装置を用いた火山ガラス・斑晶鉱物の屈折率測定と火山ガラスの主成分化学組成分析を行なった.また,微量成分化学組成測定を目的としたICP分析を外部委託により行った.その結果,町田コアの試料については4枚の既知のテフラ(津池火山灰層)との対比,稲城コアの試料については5枚の既知のテフラ(Kd23B,Kd24,堀之内第1,Omn-Kd25,津池火山灰層)との対比がそれぞれ示唆され,また未知のテフラであるが町田南・町田・稲城の3コア間で対比できる複数のテフラの存在が明らかとなった(一部は前年度のものを補強するデータ).三鷹コアについては,NG-Yr,Ym,Kd24,堀之内第1,Omn-Kd25の対比がなされた.上記と前年度まで得られた成果を総合し,主要テフラの深度分布図を試作した.これをもとに立川断層,鶴川撓曲,溝ノロ向斜などの地質構造による堆積物の変位量を評価した.その上で,これらデータと既存のデータを統合し,フィリピン海プレートの沈み込みに起因する前弧海盆でありながら,陸上に位置するという特殊性をもつ関東平野の形成モデルを考察した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 多摩丘陵稲城市~町田市付近のボーリングコアとそれからみた第四紀地殻変動2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木毅彦, 小原未生, 村田昌則, 川島眞一, 川合将文
    • 学会等名
      日本地理学会2010年度春季学術大会
    • 発表場所
      法政大学
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 多摩丘陵町田付近における地下テフラとそれからみた上総層群の地質構造2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木毅彦, 小原未生
    • 学会等名
      日本第四紀学会2009年大会
    • 発表場所
      滋賀県立琵琶湖博物館
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] 銚子地域屏風ヶ浦に分布する犬吠層群小浜層中の前期更新世テフラと白河火砕流堆積物群の対比に関する再検討2009

    • 著者名/発表者名
      村田昌則, 鈴木毅彦
    • 学会等名
      日本第四紀学会2009年大会
    • 発表場所
      滋賀県立琵琶湖博物館
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] 関東地方を軸とするテフロクロノロジーに基づく第四紀の年代枠組み 1)上総層群の層序・編年・構造に関する最近の研究2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木毅彦
    • 学会等名
      日本地質学会関東支部第3回支部研究発表会
    • 発表場所
      国立科学博物館新宿分館
    • 年月日
      2009-06-06
  • [図書] デジタルブック最新第四紀学2009

    • 著者名/発表者名
      日本第四紀学会50周年電子出版編集委員会
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      日本第四紀学会

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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