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2008 年度 実績報告書

国立公園特別保護地区上高地の自然環境保全と適正利用のためのゾーニングの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19500889
研究機関立教大学

研究代表者

岩田 修二  立教大学, 観光学部, 教授 (60117695)

研究分担者 島津 弘  立正大学, 地球環境科学部, 教授 (90251909)
石川 愼吾  高知大学, 理学部, 教授 (90136359)
キーワード地域ゾーニング / 自然環境保全 / 適正利用 / 河畔植生 / 国立公園特別保護地区 / 上高地
研究概要

1.ゾーニングのための基礎調査:上高地の河童橋から横尾までの歩道沿いの地形・地質露頭・河川・池沼・植生・人工物などのマッピングをおこない,その自然度の評価をおこなった.明神の3地点で通行量(歩行者数)調査と利用者のタイプを調べた.それに加えて上高地駐車場・ビジターセンター周辺で利用者からの聞き取り調査をおこなった.その結果,利用者の動態がかなり明らかになった.
2.地形自然度の評価調査:さまざまな時空間スケールで生じる梓川の洪水・氾濫現象について,100年〜10年スケールの氾濫史,河道内での地形変化を引き起こす降雨現象の規模,氾濫が引き起こす自然への影響について調査・解析を行った.その結果,10年〜20年間隔で大規模な氾濫が生じて氾濫原の地形,植物に影響をおよぼすこと,河道内の地形変化を引き起こすのは上高地において6月〜7月下旬に日雨量120mmを超える降雨であること,氾濫原への土砂と水の流入がさまざまな空間スケールの氾濫原の地形,植物多様性をつくり出していることが明らかになった.
3.植生自然度の評価調査:上高地梓川の明神-徳沢間の河床に発達する先駆樹種パッチの動態を調査した.河床の中でもっとも撹乱頻度が高い河床砂礫部には,ケショウヤナギ,オオバヤナギ,ドロノキ,エゾヤナギなどのヤナギ科植物に加え,タニガワハンノキ,ダケカンバ,カラマツなどの先駆樹種パッチが発達する.1994年から5年おきにこれらのパッチの大きさと群落高及び全個体の胸高直径(1.3m以下の個体は樹高)を測定しており,2008年8月に4度目の測定を行った.その結果,特にドロノキ群落の増加が著しく,それは洪水の影響の小さな発達した河畔林に近い部分で顕著であった.ドロノキ群落の増加には人工構造物(調査地の上流に設置された布団篭)が影響していることが示唆された.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 自然の変化を無視した国立公園管理の未来像2008

    • 著者名/発表者名
      島津 弘, 岩田修二
    • 雑誌名

      山岳 103

      ページ: A47-A58

  • [雑誌論文] 上高地梓川の河畔植生の動態2008

    • 著者名/発表者名
      石川愼吾
    • 雑誌名

      山岳 103

      ページ: A59-A67

  • [雑誌論文] ジオパークでの情報発信2008

    • 著者名/発表者名
      岩田修二
    • 雑誌名

      地理 28(1)

      ページ: 14-17

  • [学会発表] Floodplain dynamics and vegetation diversity in the mountain rivervalley of Japan Alps.2008

    • 著者名/発表者名
      Shimazu, Hiroshi
    • 学会等名
      IAG (International Association of Geomorpholo-gist) Regional Conference on Geomorphology-Landslides, Floods and Global EnvironmentalChange in Mountain Regions
    • 発表場所
      Brasov, Romania
    • 年月日
      20080915-20080926
  • [学会発表] 梓川上流, 上高地における氾濫原の地形発達と洪水史.2008

    • 著者名/発表者名
      島津 弘
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2008年大会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      2008-05-25
  • [図書] 自然・社会・ひと〜地理学を学ぶ〜 : 河川の氾濫がつくり出す環境多様性-上高地, 梓川の氾濫原における地形・植物多様性-2009

    • 著者名/発表者名
      金沢大学文学部地理学教室編(島津 弘)
    • 総ページ数
      33-53
    • 出版者
      古今書院
  • [図書] Ecology of Riparian Forests in Japan : Disturbance, life-history and Eegeneration2008

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Shingo (eds. Sakio, H. & Tamura, T. )
    • 総ページ数
      153-164
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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