日本人は、英単語を知覚する際、日本語のモーラ(CV、子音+母音)の音節構造の影響を受け、日本語的なモーラ単位で知覚し、それが真の英語音習得の障害となっている可能性がある。本研究の目的は、「文字認識単位」から「音声知覚単位」をつなぐ仕組みの側面を解明することにある。 本年度は、日本語母語話者が困難とする「音節読み」のメカニズムを解明することにあった。パイロット実験として、大学生を対象に、モデル音声とともに英単語を読むときに、音節かモーラかどちらで分節して読んでいるかを、アイカメラ(EMR-AT VOXER)を用い、視線行動の面から明らかにした。停留点移動経路、停留時間を分析した。また、音節学習を促進する3種類の異なったストレス表示を提示するE-learning教材を学習した結果、ピッチ情報を簡略化し山型のストレス表示に対して、学習者の視線の停留時間が長いことが明らかにされた。これにより、ピッチ情報を簡略化した山型のストレス表示が音節学習に影響を与える可能性が示唆されたといえる。
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