研究課題
水槽を設置し、ホザキノフサモやエビモ各々を約1kg/m^2にて植裁し、実際の沼の水を流入させた。その結果、両水槽において藻類の増殖抑制と透視度の上昇を確認した。また、透視度の改善の度合いはホザキノフサモの方が高く、対照系の水槽ではアオコの発生も認められた。さらに、ホザキノフサモの水槽を分析した結果、没食子酸やオイゲニンなどのアレロケミカルが検出され、ホザキノフサモ植物体からの放出が示された。その一方で室内実験において、ホザキノフサモからのアレロケミカル((+)-カテキン、エラグ酸、オイゲニン、没食子酸、ピロガロール)の放出速度を把握した。次に、この放出速度に基づいてポリフェノールをシアノバクテリア(Microcystis aeruginosa)の培地に連続添加し、ホザキノフサモからの放出を再現した状態でM.aeruginosaへの影響を評価した。その結果、M.aeruginosaの増殖が抑制されることを確認した。また、この時の増殖抑制効果の強さから、5種のポリフェノールは最大でホザキノフサモのM.aeruginosaに対するアレロパシーの大半を説明しうることを見出した。さらにポリフェノールの放出について検討した結果、これら5種のポリフェノールはホザキノフサモから放出される有機炭素の約8%を占めること、植物体内の各々のポリフェノール含有量と放出速度とは必ずしも比例しないことが明らかとなった。
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J. Water Environ. Technol., (印刷中)